介護保険専門員 1
「今日はこのブログ、ケアマネのことだからわからないや」
「私は介護士だからつまらない~見ないでおこう」
と、思った人、大間違いです。
気付きませんか?
気付かない?
…
私はケアマネとして、居宅介護支援事業所で勤務した経験があります。10年くらいかなぁ。
恩師も悪い先輩も将来有望な若ケアマネもいっぱいいました。
居宅ケアマネって、在宅で生活する高齢者のまさしくマネージャーになって、自立した生活を続けられるよう奮闘する仕事なのです。
そう、マネージャーです。タレントや芸人についているあのマネージャーですね。
マネージャーってついている人の、スケジュールの管理はもちろん、特性や趣味嗜好まで把握して、伸びる仕事をみつけてきてって役割じゃないですか。腕が悪いマネージャーだと、相手はいつまでたっても売れないという。
ケアマネージャーってよく言ったもので、担当する3~40人の高齢者のスケジュール管理、ニーズや趣味嗜好や経歴などなんでも知ったうえで、どのようにしたら自立した望む生活ができるか、それを実現するべく連絡調整するのです。
介護福祉士もそうですが、ケアマネは各方面との調整が主な任務になるので、面白さが違うわけです。
なんだけどさ。
昔話なんだけど。
先輩ケアマネで、「Aさん、お風呂家で入れないの~?そりゃ大変。とりあえず〇〇デイに行って、お風呂週2回入るようにしましょう。あ、ついでにリハビリも受けれるわ。一石二鳥!」
「Bさん、病院から退院してくるけど、不安あるよね?ヘルパーさん(訪問介護)週5、ショートステイ月3日入れるからとりあえず大丈夫だからね」
…こんなのがいっぱいいたわけです(今でもいるかもしれません)。
私は陰で「介護支援専門員じゃなくて、介護保険(デイとかヘルパーとか)専門員だな」と言っていました。暗いですね笑
介護保険法的には、ケアマネの業務として「介護サービスの調整や機関との連絡」があるので、大きな間違いでもないかもしれませんが。
んじゃ介護保険使わなかったら生活できないでしょって言われるけど。
確かに入浴をするしないというのは、生活の中でけっこうなウェイトを占めますが。
私が思う正解は、まずこの方がどこで(家が、介護サービスか)、どれくらい(週何回程度)入浴しなくちゃいけないのか(もしくは希望があるか)、アセスメントをする必要がありませんかね。
毎日入りたい~って人もいるだろうし、家のお風呂は狭いから外(デイ)で入りたいってこともある。裸を見られたくないから絶対家でって人もいました。
つまりろくな聞き取りもしないで、うわべだけのニーズを切り取って介護サービスをあてがう人を、介護保険専門員と呼ぶのです。
「私は施設に勤める介護士だから、あまり関係ないかな」そう思ってるあなた!!
気付かないで介護福祉士ではなく、介護保険士になっているかもしれません。
例えば外に出たがらないおじいちゃん。散歩に誘っても、外のお祭りに誘っても、「外は寒いから」「風が強いから」と言って外出しない。
本人の希望だから、ホームに来てから一度も外出していない。
例えば夜早く寝てしまうおばあちゃん。夕食を食べた後、19時になる前にもう、「今日疲れたの」「寝てる時間だ」と言って部屋に行く。
本人の希望だから、ホームに来てからずっと18時台に寝る。
本人の希望だから?
本当にニーズかな?
本人じゃなくて、職員のニーズになってしまっていませんか?
本人のニーズの把握をしないで、表面上だけのニーズを切り取って施設サービスを行う介護士を、介護保険士と呼ぶのです。
外に出たがらない理由は?自分が家族だったら、希望で施設に閉じこもるよりも、外に出てアクティブに過ごしているほうが、「おやじ幸せそーだな」って思います。
夜早く寝てしまう理由は?自分が家族だったら、希望で毎日18時に寝るよりも、夕食後もテレビをみて話をしているほうが、「母さん幸せそーだな」って思います。
もちろん、20歳から入居するまで、ずっと引きこもりだった人に外出させる目標をたてることは慎重になる必要があるし、
夜明けと同時に起きて、日没と一緒に寝るおばあちゃんもいました。
幸せとかニーズの尺度を一概には決められないんだけど。
だからアセスメントは必要なんです。よく話をして、生活歴や本人のニーズを把握する必要があるんです。
ちょっと耳の痛い話をしましたけど、僕も経験があるから言えるんです。
もう一度、皆さんの声を拾ってみましょう。