有限会社敬愛サービスは、北海道江別市でグループホームを運営しています。
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総合施設長が挑む 専門職の道

役割 2

前回は皆の役割を、歯車に例えて書いてみました。
役割 1

ただでさえ、認知機能や体力が低下している高齢者なのに、施設になんか入ってしまうと余計落ちてしまうのは当然でしょう。

在宅であれば、電話に出たり、新聞を受けたり、チャイムが鳴れば玄関に行く、調理や洗濯などは、不完全だとしても毎日していることなのです。
これが施設(高齢者住宅やグループホームももちろん含まれますね)に入ると、ほぼ全て奪われます。電話の取次ぎは職員、来客対応も職員…新聞受けや調理洗濯は頑張ってお願いしている所が多いでしょうけど、それでも在宅のときよりは確実に減るはず。

これを当たり前だと思っている(もしくは改善できると知らない)人は、入所入居するだけでIADLが奪われるということをなかなか理解できないでしょうね。

逆に全体的に上手く行ってるな~と思う所は、高齢者にも役割があります。
身体が元気で認知症もそれほど進んでいない方は、リーダーシップを取って洗濯や掃除を行います。他の方に指示出したりします。
男性は体操のとき大きい声を出したり、制作物などは生き生きとしている。
女性陣は洗い物や洗濯を頑張ったり、認知症が強く進んだ方の付き添いをしたり。
どれか欠けても、「今日は〇〇さんいないから〇〇だね」と会話になるくらい、チームとして歯車ができている。
そう、寝たきりになって他の高齢者から介抱を受ける人も、歯車です。介抱する人は介抱することで役割を得ているもんね。

介護をするときって、「弱者への援助」とか「困っている人への手助け」というイメージがありませんか。
頭ではわかっていても、どうしてもそういうふうに考えてしまう。
でもこれって、介護をすごいつまらなくする原因の一つなんです。
出勤してきて、うんこしっこの介護して、風呂入れてメシ食べさせて、今日の仕事終わり!!は介護のようで介護じゃないですよね。
どうせするなら、さっきの話の、全員が歯車になっている「高齢者チーム」で仕事したいですよね。楽しいですよね。

この「高齢者チーム」は理想の姿なんで、一朝一夕ではできないです。ただ援助する高齢者を歯車だと思うことは今でもできる。
どんな歯車になれるんだろう…と考え始めると、介護の世界はかなり開けてきます。