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総合施設長が挑む 専門職の道

介護実習の重み

私は総合福祉系の専門学校を卒業したので、卒業と同時に介護福祉士を取得できました(もう制度的にないはず)。
加えてソーシャルワーク系の単位も取ってて、相談員などの実務経験を1年積めば、社会福祉士の受験資格もありました。

今の人たちに話したら「楽ですね~」とか「試験受けてないなんて、今の取得者と力量の差が出るんじゃない?」なんて言われることもあります。

確かに1年に1度の国家試験に受からないといけないなんていうプレッシャーに比べたら、実習なんて楽なもんだと思われるかもしれません。
でもはっきり言います。私が学生だった20年以上前の実習はとてもハードです。

介護福祉士の法律(社会福祉士及び介護福祉士法)ができてまだ10年足らずだった当時、実習先にも介護福祉士がまだ珍しかったです。また居ても資格手当など他の職員に比べて優遇されることが多いため、「できることは同じなのに給料に差がある」とやっかみの対象になることも多々あり。私は3年間で3か所、トータル4カ月程度の実習に行ったのですが、どこでも「介護福祉士?なにそれ?」「そんなのクソでしょ」と担当に言われていました(実話です)。

またティーチングコーチングなんて1mmもない時代です。その日の指導者の下にあいさつに行っても、「私実習生嫌いなんだよね、めんどくさいんだもん」「僕教えるの下手だからみて覚えて」と突っぱねられます。18時に実習を終え、日誌を書いて確認してもらって1日終わるのですが、「指導者が20時まで私用でいないから待ってて」なんてことも珍しくありません(リアルに実話)。

こんな話をすると「昭和の精神論~」と笑われます。平成の話ですけどね笑

とまぁ昔話をすると、おじさん~と怒られるのでここまででやめておきますが、大切なのがここからで。

今でいうとパワハラセクハラモラハラ全開の実習でしたが、当時の専門学校生を卒業した人は多かれ少なかれこれを乗り越えています。
いじめというか不条理なことも、卒業する前に社会の縮図として学ぶことができていたんですね。そして必死で資格を取ろう、卒業しようと思いでしがみついていたんだと思います。
なので就職してから一人前になるまでが早い早い。特養や老健で3年しっかり働けば、十分人に技術を教えることができる人材になっています。

誤解を恐れない言い方をすると、介護の底辺というか現場を支えてきたのは、私たち専門学校卒業生だったと自負できるはず。

先日ある研修の講師とこの話になり、昔の実習あるあるで大変盛り上がりました。
そして今、介護崩壊の危機の原因になりつつあることも。

専門学校を出て、実習を経て社会に出る介護福祉士が非常に少なくなっています。学校行くくらいなら、働きながら実務者研修行って、資格取ったほうが遥かにコスパ良いからです。確かに専門学校卒業したからって、座学の内容は90%以上忘れてしまいますが、残った10%が非常に重要なのです。人に介護をする、人に介護を教える土台になる。

そんな話をしていて、新しいビジネスを思いつきました。
まだ皆にはナイショですが。。。

PS 今はどうかわかりませんが、以前の実習は住み込みが基本でした。空き部屋が日によって違い、「ジッシュウ(実習生のあだ名、人権無視ですね笑)、今日は○○号の部屋に泊まれ~」と言われて寝る部屋を転々とします。そのおかげで、今でも毎日寝る場所が違っても平気です。どこに居ても、オンとオフを切り替えるのが上手になりました。