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総合施設長が挑む 専門職の道

2011年3月11日(2)経済をまわせ!

そるぶす豊幌のある豊幌地区では、今日かなりの量の雨が降っています。

私が豊幌を出る19時過ぎでは、風のない台風みたいな降り方をしていて、「雪解けが進むけど徒歩通勤の人は大変だ」と心配になるくらいでした。

こういうのを春の嵐というのでしょうか。

明日はあの大震災からちょうど9年になりますが、当時はまだもう少し雪深かった記憶があります。

あのとき、明日どうなるかもわからないくらい日本は混乱していました。しかし素晴らしい団結力で復興を推し進め、今年福島でも立ち入り禁止区域がだいぶ介助されています。高速道路が壊れたとか、大きい防波堤が必要とか、目に見える困難には団結して立ち向かいやすい。だけど放射能とかウィルスとか目に見えない物には、潜在的な恐怖が勝り、戦いが困難になります。

ホームのユニット会議のときに、あるスタッフに聞かれました。

「職員の外出制限とかは考えてないんですか」

法人内で、コロナウィルス流行によって対策の段階を4つに分けており、現在は「市内に発症者がいる、第2段階」です。職員の外出自粛を求めるのは、「行政からの要請があった場合or職員の近しい関係に発症者が出た場合 第3段階」と決めていました。

リスクを完全に避けるには、確かに職場と家の往復にするのが一番でしょう。しかしそれでは困る人がたくさんいる。

マスクと消毒薬の不足により、我々福祉職や医療現場では大変な思いをしていますが、同じように来客や売り上げが減って苦境に立たされている人がたくさんいます。

なるべく元の生活に近い消費を行うことが、このコロナパニックからの復興を早める材料になるんだと考えます。

なので、「手洗いうがいマスクをしっかりして、遊んできて」と伝えました。

震災のときはあまりに不幸が多かったため、自粛ムードが漂いました。「テレビの向こうの人たちがかわいそうで、とても遊んでられない。しばらくは我慢して家でひっそり暮らす」そう言っていた老夫婦がいました。テレビのCMもずっとACがエンドレスで流れていました。

私はこういうときこそお金を使うときだと思います。

むやみやたらに散財するのではなく、使い方を考えるのです。いつもと同じ生活をしながら、今まで外国産の物を使っていた部分を、ちょっと高くても国産に代える。できれば被災地のものを取り入れる。私は家でウィスキーなど飲んでいましたが、被災地のお酒を取り寄せて飲みました。ちょっと高いけど、福島の桃なんかも食べてみました。

これは今でも変わりません。普段からMade in japanで身の回りは揃えてますが、できるだけ国産の、道産の、地元の周りの物を選んで消費するのです。募金だけではなく、お金の使い方をちょっと工夫するだけで、巡り巡って誰かのためになる。そう考えています。

「介護の専門職には関係ないよ」「福祉系には経済なんて遠い話だな」そう話す人もいるかもしれません。

ただし、今経済が低迷して、日本が弱体化すれば、数年後報酬改定に響いてくるのは間違いありません。ただでさえ国からの報酬が収入の半分以上でやっている介護業界なんですから。「報酬が3%減ったから、給料も3%カットね」そう言われてしまうかもしれませんよ。

我々個人でできることはほんの僅かです。だけど塵も積もれば山となる。大変なときだからこそ、お金の使い方を工夫しましょう。

「経済をまわせ!!」