自己啓発という名の栄養ドリンク
一気に寒くなってきて、北海道は秋から晩秋、初冬と目まぐるしく季節がうつる時期でもあります。
天気予報を見ていると、4日には各地で初雪になりそうだと。
皆さんはもうタイヤ交換はお済ですか?
私は毎年、11月上旬の連休で全部してしまうのですが、今年は冬の訪れが早そうだと判断して10月中に済ませました。
雪がないと、農家が困り、スキー場が困る。わかってはいるけど、できるだけ少ないようにと祈らずにはいられないですよね。
さて本題に入ります。
最近よく質問されることが多いのが、「オススメの本ありますか~」ということ。
20年以上前までは文学少年(笑)で、1日16時間本を読み続けたことがある私です。オススメの本がないわけがない。
…のですが、これが福祉や介護、医療など専門職系になると、ちょっと難しくなります。
というのも、これだけインターネットが発達し、ヘイシリでだいたいの情報が集められる昨今、情報のスピードで本が勝てる要素が全くありません。
作者が書いて、編集者が編集し、印刷会社が印刷して、本屋に並ぶまで、一般的に数カ月の時間がかかりますね。
比べて、ホームページなどを利用すれば、新しい介護の技法や研究内容は、数時間で皆さんの目に触れてもらうことができてしまいます。
なのでできるだけ最新の情報が必要なこと(認知症介護、介護技術、医療全般)に関しては、書籍で拾うことはおすすめできません。
逆に、初歩的な介護技法や認知症患者への対応術、福祉の歴史など、大きな変化がないことがらに関しては、本は有用だったりしますね。
また最近よく見かけるようになった、
「偏差値〇〇だった私が東大に合格した理由」
「上手くいっている人が実行している、たった3つのこと」
などのいわゆる自己啓発本は、まったくおすすめできません。
これらはいわゆる「人生の栄養ドリンク」と私は名付けています笑
自分に自信がなかったり、目標が見いだせないときに、このような本を読むと、元気付けられるため「ちょっと勉強して頑張った感」が出ます。
しかし中身がからっぽなので、すぐに効果が切れてしまうでしょう。
そのため、次から次へと啓発本を渡り歩くことになるのです。
疲れているときに、休養ができずその場しのぎで飲む「栄養ドリンク」にそっくりだと思いませんか?
数年前に100冊近く読んでみたことがありますが、中身は50%似ていて、知識や教養を身に着けようとするには不十分だと言えます。
コロナウイルスの影響で、外出が減った分、本を読む機会が増えた方も多いでしょう。
ぜひ啓発本みたいなものより、一生心に残るような出会いがあるように願っています。